遺伝子コラム 2019.05.21 火

遺伝子検査で子供の障害がわかる|出生前診断で判る・判らない障害

遺伝子検査では子供の障害についても調べることができます。自分の子供が遺伝子検査の結果で陽性だった場合、あなたはどのような決断をしますか?遺伝子検査でわかる・わからない障害や実際に検査を受けた方の体験談など詳しく見てみましょう。

遺伝子検査 障害

発達障害や学習障害は、子供が生まれる前に遺伝子検査をすることで調べることができます。

自分の子どもが障害を持って生まれてくる可能性はゼロとは言えない為、最近ではこの遺伝子検査(出生前診断)で検査をする親が増えてきました。

しかし、全ての発達障害や学習障害がわかるわけではありません。

生まれてくる子供に障害がないか知りたいという方のために、遺伝子検査でわかる子供の障害(陽性反応)と、陰性であっても病気や障害がないとは言いきれない理由、検査でわからないことについて詳しくまとめてみました。

子供の障害と遺伝との関係性

障害と遺伝の関係

障害といってもASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)などさまざまな障害があります。

具体的な症状にもそれぞれ違いがあり、程度に差がある原因に関しては現在医学や化学をもってしても不明となっています。

この子供の障害と遺伝には関係性があるのでしょうか?

単一の遺伝子だけではなく複合的な遺伝的な要因や環境要因が重なることで、相互に影響しあうことから脳の機能障害が引き起こされると考えられているため、遺伝的な要因が原因のひとつではないかとされています。

ASD(自閉スペクトラム症)に関しては既に多くの研究がされており、関連する遺伝子があると報告もされているため、全ての障害に対しての特定には至っていませんが、発達障害や学習障害などの障害は遺伝的な要因、関係性が高いとされています。

障害が発症する原因

障害の原因
そもそも障害が発症する原因には遺伝的要因以外にどのようなことが考えられるのでしょうか。

発達障害や学習障害は、生まれた時点で脳に何かしらの機能障害があることです。

これらの障害の原因に関しては遺伝的な要因以外には明確に説明できるような根拠がありません

しかし、これらの障害は、単一の要因だけではなく様々な複数の要因・原因が関係し重なることで発症すると考えられています。

遺伝子検査の結果が陽性だった場合

遺伝子検査の結果

遺伝子検査により子供に障害がないのかを調べる場合、妊婦の血液の中にある胎児由来遺伝子を調べることにより、さまざまな染色体異常がないのかを検査することができます。

この検査は、母体の負担がないため簡単に検査を行うことができますが、陽性だった場合は“産むか・産まないか”の決断を迫られることになります。

また陽性だった場合は、診断結果を明確にするために羊水検査を受ける必要があり、この羊水検査には流産のリスクが伴います。

妊婦の約90%が中絶

落ち込む
自分の子どもが産まれてくる前に障害があると分かった場合、出産後の育て方などを充分に考える必要があります。

そのため、遺伝子検査で陽性と判明した場合、妊婦の9割もの方が中絶を選んでいるようです。

もし実際に、自分の子どもに何か障害があると判明した場合、あなたならどのような決断をしますか?

産まれた直後のこと、学校のこと、将来のこと、様々なことを想定して一度じっくりと考えてみて下さい。

子供に障害があるのかを調べる遺伝子検査を行った場合、この究極の決断を迫られる可能性もあるのです。

遺伝子検査でわかる障害

わかること

遺伝子検査(出生前診断)では、胎児の形態異常や染色体異常など先天性障害・疾患の一部を調べることができます。

先天性の障害や疾患にはさまざまなものがありますが、ダウン症やエドワーズ症候群、パトー症候群などがあります。

通常染色体は2本がついになっているのですが、1本多い3本ある状態のことをトリソミーと言い、これらの染色体疾患の現れ方は、妊婦の年齢が高いほどリスクが上がるとされています。

21トリソミー(ダウン症候群)

新生児で最も多くみられるトリソミーは、21トリソミーのダウン症で21番染色体が3本ある状態の症状です。

そのため、ダウン症候群と診断された方のほとんどが47本の染色体をもっていることになります。

ダウン症の子どもは、発育の遅れや精神発達の遅れ、さらに特異的な頭部や顔立ちがあり低身長といった特徴があります。

18トリソミー(エドワーズ症候群)

エドワーズ症候群は、1960年にイギリスのジョン・H・エドワーズによって報告されたのがはじまりで、胎児の18番染色体が3本1組のトリソミーになってしまうものです。

エドワーズ症候群の特徴は、非常に軽い体重、小さい顎、指の重なりなどの症状に、重度の心疾患が発生することがあります。

13トリソミー(パトー症候群)

パトー症候群は、複数の先天異常を伴った、重篤な臨床像が特徴的な染色体異常です。

主な症状には、先天性心臓奇形(せんてんせいしんぞうきけい – 生まれつきの心臓奇形)、停留睾丸(ていりゅうこうがん – 袋の中に睾丸が入っていない)、外耳の異常(耳の外側の部分が十分に形成されない)、多指症(たししょう – 指の数が6本以上)などがあります。

パトー症候群で産まれた胎児は、出生してから9割近くが1年以上生存できないことも報告されています。

遺伝子検査でわからない障害

悩む医者

化学や医学の進歩により遺伝子検査を行うことで様々なことを知ることができるようになりました。

しかし、遺伝子検査でわからない障害もあります。

まず、胎児に見られる染色体異常というものは全体の4分の1ほどしかないため、遺伝子検査の結果で陰性と判断されたとしても、100%障害がないとは断言はできないのです。

特に、単一遺伝子疾患や多因子遺伝、視覚障害や聴覚障害などに関しては遺伝子検査(出生前診断)では解らないのです。

そのため、産まれた後に障害児になってしまう可能性もあることだけは覚えておきましょう。

実際に検査を受けた方の体験談

体験談

妊娠をきっかけに最近流行りの出生前診断で胎児の状態を知りたく検査を受けてみることにしました。その検査の結果、ダウン症症候群(21トリソミー)の確立が70%ということがわかりました。妊娠してから明るい未来になることだけを想像していたので絶望感でたまりませんでした。産まれてくる赤ちゃんのこと、今後の私たちのこともしっかりと考えたうえで、中絶を選択しました。

出典 : 4chan.org

自分に軽い身体的障害があるので胎児の様子を調べてもらうことにしました。その結果、染色体異常は見つからないという検査結果だったのですが、産まれてきた子には障害がありました。遺伝子検査も調べられるものと調べられないものがあるということは聞かされてはいましたがショックを隠せません。

出典 : reddit.com

生まれてきた子供に障害があったら嫌ですよね。親なら誰もが思うこと。私もその一人でした。出生前診断をすることで異常がないか調べられるということだったので検査してもらったところ陽性反応でした。子供の将来を考えて“産まない”を選択したのですがとても耐えられずずっと泣いていました。

出典 : Channel4 BBS

検査を受けることでメリットがある反面、このような「産むか産まないか」の決断を迫られるデメリットもあります。

また、陰性と診断されたとしても必ず障害児が産まれないということでもないのです。

まとめ

遺伝子検査でわかる子供の障害(陽性反応)と、陰性であっても病気や障害がないとは言いきれない理由、検査でわからないことについて紹介してきました。

遺伝子検査によって産まれてくる子どもが障害を持っているかどうかを調べることができます。

しかし、今回紹介してきたように様々なメリットがある反面、究極の選択を求められることになってしまうこともあります。

そのため、このような点をしっかりと理解した上で、遺伝子検査を行うようにして下さい。